【オフセット印刷とオンデマンド印刷】
こんばんは。
クリエイティブディレクターのJUNPEIです。
まずはじめに、
先日は公開添削にご参加頂きありがとうございました!
来月も開催いたしますので、またブログで告知させて頂きます!
そして、昨日から募集が始まりました
「WEBデザイナーのためのグラフィックデザインの授業」ですが、
おかげまさまで既に、
8月8日と13日共に残り枠わずかとなっておりますので、お早めに!
【WEBデザイナーのためのグラフィックデザインの授業】
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https://live-publishing.jp/click/nurumayu-graphic/
そして今回のテーマは
「オフセット印刷とオンデマンド印刷」についてお話したいと思います。
グラフィックデザイン塾の生徒さんは
Lesson.8_2で紹介しているので、ある程度は既にご存知かと思いますが、
この2つの印刷方法をより詳しくここで理解して、
今後のクライアントワークを円滑に進めていきましょう。
こちらは私の名刺ですが、
同じデータを入稿して、
2つの印刷会社、印刷方法で実際に発注してみました。
左が「オフセット印刷(グラフィックで印刷)」
右が「オンデマンド印刷(プリントパックで印刷)」したものになります。
※紙の白色度を伝えるために若干暗めで撮影しています
※用紙はマットコート220kgとなります
まずは「オフセット印刷」です。
オフセット印刷は、版につけられたインキをゴムでできた「ブランケット」という
ローラーにいったん転写(Offset)し、さらに「ブランケット」を用紙に押し当てる
ことによって印刷を行う技術のことです。
(↑この辺りの知識はなんとなくで大丈夫です)
オフセット印刷では版がダイレクトに紙に触れないために磨耗が起こりづらく、
安定した品質で大量の印刷が可能という特徴があります。(←※ここが重要)
オフセット印刷は「CMYK」の4版を使ってフルカラーを表現します。
両面のフルカラーのチラシの場合は「オモテ4版+ウラ4版」の合計8枚の版が必要になり、
印刷料金は「版の数+通し数+紙の数+加工と納期」で決まります。
両面フルカラーの場合は8枚の版に1回ずつ紙を通して印刷をしていくため
「通し数が8回」となり、その分の料金が掛かります。
オフセット印刷は、抜群にキレイに仕上がりますが、
少量の印刷の場合は1枚あたりの単価が上がってしまいますので、オススメはできません。
次に「オンデマンド印刷」です。
オンデマンド(On-demand)印刷とは、コピー機のような電子写真方式やインクジェット高速印刷の印刷機を利用して、
注文次第(On-demand)印刷を行う印刷方法です。(←コピー機に毛が生えたぐらいのイメージだと思ってください)
オフセット印刷のように版を作る必要がなく、データをダイレクトに読み込んで印刷をします。
そのためコストを安く抑えられ、短納期にも対応が可能です。
ただ、コピー機に毛が生えた程度なので、仕上がりはオフセット印刷と比べ、だいぶ劣ります。
少量ですぐに欲しい、クオリティはそんなに求めない、納期とコスト重視!という場合には
とてもオススメです。
ここで注意が必要なのは、
実務案件でどちらの印刷方法が適正な選択なのか?を見極める基準です。
今回、私の名刺で”ここは譲れない”という仕上がりポイントが…
①写真画像をキレイに表現したい(ブラウザで見た印象に近い表現)
②ムラを出したくない(写真画像の背景のグリーンと、ロゴのグレーにこだわりたい)
③細かい文字や細い線を滑らかに仕上げたい(明確に表現したい)
です。
この①②③を実現させるには、
オフセット印刷の選択で間違いないです。
上記の比較を見ると、
オンデマンド印刷(右側)は、オフセット印刷(左側)と比べ、印象が浅い(薄い)仕上がりです。
ロゴの斜めの線も、若干ガタガタしているようにも見えますね…(全体的にボヤッとして見える)
これはオンデマンド印刷の特徴である「点の集合体」で印刷を表現することから
このような仕上がりとなります。(まんべんなくインクが敷かれていない印象)
ここまで、2つの印刷の仕上がりについてお話しをしてきました。
「じゃあ実務ではどうやって見極めれば良いの?」という点ですが、
特別な理由がない限り「オフセット印刷」を選択しましょう。
「品質重視を基準」(オフセット印刷を基準)にすることで、
納品までのスケジュールをしっかり計画し、クライアントと円滑に進めていくことが重要になります。
自分の独断でオンデマンド印刷にしない(安い方がイイに決まっていると勝手に考えない!)
そして、最近ではネット印刷が主流となりました。
ネット印刷は多くの印刷会社を提携先としており、
全国から集まってくる印刷データを提携先の印刷会社に振り分けて、
大きな紙にたくさん面付けをすることで、コストを抑えながら印刷をしています。
(↑ネット印刷会社で同じマットコートでも白色度が違うのはこのことからです)
※紙の名称は同じでも、印刷会社が取引している製紙メーカーによって白色度など若干変わります
そのおかげで最近では、2つの印刷方法の違いで金額の差がめちゃくちゃあるかと言うと、
そうでもないので、まずはオフセット印刷で仕上げることを基準にして、
オンデマンド印刷は予算や納期を考慮した結果で提案してくという考え方が◎です。
その際には必ず2つの印刷方法のメリット、デメリットを必ずデザイナー自らが
クライアントに分かりやすく説明してあげましょう。
これが「信用・信頼=リピート・紹介」に繋がります。
まとめると…
【オフセット印刷】
・仕上がりがキレイ(細かい部分も鮮明に表現が可能)
・大量の印刷に向いている
・版が必要なので納期が長い
・金額が高い(少量に対して単価が高い)
【オンデマンド印刷】
・細かい表現が苦手(ムラや滑らかな線の表現が難しい)
・少量の印刷に向いている
・版が必要ないので、納期が短い
・金額が安い(少量に対して単価が安い)
以上となります。
今回は、初心者の方でも分かりやすい最低限の印刷知識と、
実務での判断基準となるので、もっと詳しい印刷知識が知りたい方は
ググってみましょう。
迷った場合は、いつでも私に相談してください。
常にクライアントに寄り添ったクライアントワークを心がけましょう。
これは直接会わない時代だからこそ、より大切なことです。
それではまた次回に。
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