「特色の基本知識」について
みなさん、こんばんは!
JUNPEIです!
今日のテーマは「DICカラー」(ディックカラー)です。
グラフィックデザイナーとして仕事をしていると
DICカラーを使用してデザインを進めていく事があります。
そのための準備として、
この機会にDICカラーについてお話ししたいと思います。
DICカラーの基礎知識
DICカラーは「DICカラーガイド」という色の見本帳が出版されていて、
印刷会社やグラフィックデザイナーの間で色の指定によく使われています。
DICカラーガイドは1〜6巻と日本の伝統色、フランスの伝統色、中国の伝統色などがあり、
収録されているすべての色に番号が振られています。
具体的な使い方の例として、
色を指定する際に「赤」と言葉で言うだけでは明るい赤なのか?黒っぽい赤なのか?黄色っぽい赤なのか?
具体的にどのような赤なのか相手に伝わりません。
そこで「DIC 198」と言うと、どんな赤なのかが正確に伝わります。
DICカラーガイドで指定した番号は「特色」(とくしょく)と言われます。
特色の特徴は、
①調合してできた色
②世界共通の色(どこの印刷会社でも同じ色で表現できる)
③CMYKの4色で印刷できない色 です。
CMYKを組み合わせてDICカラーに近いカラーを作ることは可能ですが、
DICカラーはDICカラーとして指定してあげなければいけませんので、注意しましょう。
【DICのイメージカラー】
https://www.sakawa.jp/pdf/dic.pdf
プロセスカラーとの違い
CMYKと呼ばれる「C:シアン」「M:マゼンタ」「Y:イエロー」「K:ブラック」の4色のことをプロセスカラーと言います。カラー
DICカラーとプロセスカラーとの大きな違いは、色の表現方法です。
プロセスカラーはCMYKの4色を重ねて指定された色を表現するのに対し、DICカラーは指定された色に合わせて先に調合したインク1色だけで表現します。
そのため、DICカラーはプロセスカラーでは表現できない金・銀・蛍光色が表現出来たり、印刷機による色のブレも起こらないのです。
DICカラーのメリット・デメリット
DICカラーのような特色インキを使用する特色印刷は、指定した色にあわせて先にインクを調合するため、色の再現度が非常に高いです。
灰色やパステルカラーのような薄い色を表現する場合でも、プロセスカラーではくすみやすく、ぼやけた印象になりますが、DICカラーだと鮮やかできれいな仕上がりになります。
ただ、1色につき1版が必要なため、色数が多いと料金が割高になるデメリットもあります。
以下にDICカラーのメリット・デメリットをまとめました。
-
DICカラーのメリット
- ・プロセスカラーでは表現できない、金・銀・蛍光色などの色が印刷できる。
・色見本帳で色の確認が可能。
・色の安定性があるので、再現度が高い。
-
DICカラーのデメリット
- ・色数が多いとプロセスカラーよりも割高である
データの作り方
次にデータの作り方を説明します。
IllustratorでDICカラーを設定する場合は、
「スウォッチ」パネルからパネルメニュー表示
↓
「スウォッチライブラリを開く」>「カラーブック」>「DICカラーガイド」
の順で選択すると、DICカラーのスウォッチパネルが開きます。
そこからDICカラーを選択すればOKです。
または、
CMYKのいずれか1色ので指定して、
レイヤー名をDICの番号にして入稿してもOKです。
(その場合は必ずレイヤーでDIC指定していることを入稿先やクライアントに伝えましょう)
ネット印刷での注意点
ネット印刷でもDICカラーでの印刷は可能ですが、
基本料金ではDICの種類を限定している場合もあるので、
事前に問い合わせてみることがオススメです。
(追加料金でDICの種類を増やせる場合もあります)
また、DICカラーでは、
金、銀などのメタリックな色や蛍光色も可能です。
ただ、箔押しのようなバッチリの金、銀ではなく
限りなく金、銀に近い近似色まで可能なので、その表現の範囲を理解しておく必要があります。
また、金、銀、蛍光色は特色の中でも特殊なカラーになるので、追加料金が掛かる場合もあります。
PANTONE(パントーン)
特色はDICカラー以外に「PANTONE」(パントーン)という
色見本があります。
こちらもDICと同じように、番号で指定してカラーを決める流れです。
どちらかというとPANTONEは、ファッションやパッケージの用途が多く
DICカラーは印刷の用途が多い印象です。
生産している国が違うということも違いの1つです。
DIC⇒DIC株式会社(旧大日本インキ化学工業)
PANTONE⇒パントーン社(アメリカ)
こちらも覚えておきましょう
それではまた次回に。
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