Tシャツを作ろう!
みなさん、こんばんは!
JUNPEIです!
最近めちゃくちゃ寒いですね…
そんな中で、
季節外れですが今日のテーマは「Tシャツを作ろう」です。
過去のグラフィックデザイン塾の公開添削の中で、
「Tシャツのデザインで気をつけることは?」という質問を受けたので、
ここで詳しく解説し、みなさんに共有していきたいと思います。
まず、グラフィックデザイナーとして、
知っておかなくてはいけないことは、
”Tシャツがどんな方法で印刷(プリント)されているのか”を
しっかり理解しておきましょう。
印刷の種類は大きく分けて3つです。
①シルクスクリーンプリント
②昇華転写プリント
③インクジェットプリント
になります。
【シルクスクリーンプリント】
昔からある定番の印刷方法で穴の開いた版を作り、インクを流して印刷していきます。
定番なだけあり、一般的にお店で販売されている洋服やイベントグッズなどは
シルクスクリーンプリントで製作されたものが多いです。
メリット1:大量生産するほど安い
イベントなどでオリジナルTシャツを大量製作しなければいけない場合にピッタリです。
一度版ができてしまえば、同じデザインである限り何百枚と製作できます。
作れば作るほど、1枚当たりの値段がお手ごろになるのがシルクスクリーンプリントです。
メリット2:アパレル商品のような美しい仕上がりに
アパレルメーカーが採用しているプリント方法だけあり、
シルクスクリーンプリントは素晴らしい仕上りです。
特に注目したいのは、インクが生地深くまで沈まないこと。
そのため、濃い色の生地に薄い色をプリントしても発色良い仕上がりになります。
また、シルクスクリーンプリントで使用されるインクは色あせにくく、耐久性があります。
繰り返し洗濯をしても、剥がれにくい性質を持っています。
デメリット1:色数が多いと割高になる
シルクスクリーンプリントは少量はもちろん、色をたくさん(5色以上)使うデザインには向いていません。版は1色ごとに製作されるので、色の数が多いほど版の数も多くなり、コストがかかってしまいます。
少ないカラーデザインを大量製作するためには、最適なプリント方法です。
デメリット2:特殊なデザインは印刷できない
版を使って印刷するという性質のため、
シルクスクリーンプリントではグラデーションや
半透明化処理などのような特殊なデザインの印刷はできません。
【昇華転写プリント】
昇華転写プリントとは、あらかじめ専用の紙にデザインを印刷して、
印刷物を熱で気化して生地にデザインを染めこむ印刷方法のことです。
インクジェットと同じく版を使う必要はないので、大量生産よりも少量生産に向いています。
メリット1:発色がとにかく良い
華転写プリントの最大の特徴は、デジタルデータに限りなく近い色合いを再現できるということ。
生地に浸透させて印刷する為、デザインが生地と一体化した出来上がりになっていますので、
しなやかな風合いとなります。
デメリット1:プリントできる生地はポリエステル素材だけ
昇華転写プリントの大きな弱点は、天然素材やナイロン生地のアイテムには印刷できないということ。
熱で気化してインクが写るのは100%ポリエステルだけです。そのため、ユニフォームなどに昇華転写プリントは使用されます。
また、濃い色の生地の場合は色が沈んでしまうという問題も…。
インクジェットはホワイトインクを使用できるので、濃い色の生地でも高いクオリティーの仕上げにできます。
しかし、昇華転写プリントはホワイトインクが使えません。
そのため、濃い色の生地だとプリントカラーが沈んでしまうのです。
デメリット2:アイロンや乾燥機が使えない
昇華転写プリントは熱を利用して生地に印刷します。
そのため、アイロンや乾燥機にかけると熱が再び気化して色落ち、もしくは他の衣服へ色写りする可能性があります。
また、使用されるインクが紫外線に弱いため、長時間紫外線に当たると色落ちする可能性があることも覚えておきましょう。
【インクジェットプリント】
インクジェットプリントとは、デジタルデータをそのままTシャツの生地に印刷する方法です。
圧力や熱を加えてインクを微粒子にした後、直接生地に噴きつけます。
インクジェットプリントは、1枚からフルカラープリントできるのが最大の特徴です。
メリット1:高い再現性
色を直接噴きつけるので、インクジェットは色やデザインの再現度が非常に優れています。
複雑なデザインはもちろん、フルカラーの写真や複雑なイラストなども高いクオリティーで仕上げることができます。
メリット2:何色使っても値段は同じ
通常の印刷では、色ごとに版を作ります。つまり、色を使えば使うほど、版の数が多くなり値段が高くなるというわけです。
しかし、インクジェットプリントでは版を作る必要がありません。
そのため、白いTシャツはもちろん、黒やネイビー、赤などの濃色のTシャツやポロシャツなどの生地へのプリントも可能です。
濃色のTシャツへプリントする場合は、白インクを下地に使うことによりしっかりと色が再現されます。
デメリット:同じデザインの大量生産には向いていない
インクジェットプリントは1枚だけのデザインや1枚づつ異なるデザインの印刷には向いていますが、
同じデザインを大量生産する場合にはおすすめしていません。
インクジェットには様々な色のインクカートリッジが搭載されています。
しかし、1つのインクカートリッジの容量は大きくありません。
数枚程度の印刷ならば問題ありませんが、
大量の印刷となるとカートリッジの交換頻度が多くなり、結果的にコストがかかるためです。
オリジナルTシャツを作るときには、製作枚数や使用するプリントの特徴に合わせてデザインを楽しむといいですね。
最後に、簡単な比較図を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください!
【デザイン】
「デザインの範囲について」
プリント範囲(デザインする範囲)各印刷会社によって違いがあります。
A4サイズを基準にしておけば、ほとんどの印刷会社で問題なくプリントが可能です。
それ以上になると、各印刷会社により最大プリント範囲が異なるので要確認をしましょう。
また、クライアント側で印刷をする場合は、
「印刷会社はお決まりですか?」とヒアリングして、
クライアントに確認してもらうか、またはその印刷会社に問い合わせてみましょう。
「カラーについて」
これは主にシルクスクリーンの場合になりますが、
カラーは印刷会社(ネット印刷)で違いがあり、大きく分けると、
①指定の色見本から選択する(シルクスクリーンの場合)
②DIC、PHANTONEから選択する(シルクスクリーンの場合)
③似た色に合わせる です。
①②は主にネット印刷の場合は基本カラー(DICカラー)から選択すれば
基本料金でできますよ。という形式が多く、
それ以外のカラーは追加料金がかかりますという印刷会社もあるので確認してみましょう。
(※DICカラーのデータの作り方は前回のブログ「特色の基本知識について」を参考にしてみましょう!)
③はクライアントの希望に、できるだけ近いDICカラーまたはPHANTONEを指定して
発注すればOKです。その際は必ずクライアントに説明をした後、印刷を手配しましょう。
「目的を考える」
これはTシャツデザインに限らないことですが、
何の目的でデザインするのかを必ず念頭に置いてデザインをすることです。
イベント、飲食店、団体などの用途を理解してデザインをしましょう。
慣れてきたら、自分のオリジナルのTシャツを販売しても良いですね。
こうして印刷方法を理解しているかいないかで、
グラフィックデザイナーとして表現の幅が決まってきます。
クライアントに今回はどんな印刷方法をご検討でしょうか?と聞いたところで
ほとんどのクライアントからは回答は返ってこないと思ってください。
グラフィックデザイナーが常に提案をし、
何が良くて、何が良くないのかをしっかり伝えながら取引していくことが
デザイナーに必要とされる最低限のコミュニケーションです。
それではまた次回に。
P.S
1月31日公開添削是非ご参加ください^^
添削作品もまだまだ募集中です!
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