塾長 尾上こんにちは!ぬるま湯デザイン塾の尾上です。



こんにちは!Webデザイナーのメモりすです。
案件のバナーやアイキャッチに、生成AIで作った画像を使ってみたことはありませんか?
便利で助かる一方で、「これって著作権的に大丈夫なんだろうか」という不安がふと頭をよぎった方も多いのではないでしょうか。
法律の話と聞くと、それだけで「難しそう、自分には理解できないかも」と身構えてしまいますよね。専門用語がずらりと並ぶ解説を読んでも、結局「自分の案件では何をすればいいのか」が分からず、余計に不安になってしまった、という方もいるのではないでしょうか。
でも、実は難しい条文を覚える必要はありません。実務で確認すべきポイントは、数個に絞ることができます。
先にお伝えしておきたいのですが、私たちの立場は一貫して「AIは補助。ビジュアルを作るのは人」です。この前提のもとで、著作権の線引きを整理していきます。
- 生成AIの著作権を考えるときの2つの視点
- 案件で使う前に確認すべき3つのチェックポイント
- 副業デザイナーが避けたほうがいい具体的な行動
生成AIとの向き合い方の前提については、以下の関連記事でも詳しく解説しています。


※この記事は「AIで画像を量産する方法」の紹介ではありません。
※この記事は法律相談ではありません。個別の案件で判断に迷う場合は、弁護士や依頼主との契約確認をおすすめします。また、内容は2026年9月時点の情報です。法制度やガイドラインは今後見直される可能性があります。
生成AIの著作権、まず押さえる2つの視点
生成AIと著作権の関係は、「侵害しないか」と「発生するか」という2つの視点に分けて考えるとシンプルになります。文化庁が公表している考え方をもとに、実務の言葉に翻訳して整理します。





生成AIで作った画像って、そもそも著作権はどうなるんだろう?



実は2つの視点で分けて考えるとシンプルになるよ。
視点1: その画像を使うと、誰かの著作権を侵害しないか
生成した画像が既存の作品と「似ている」うえに、「その作品をもとに作られた」と判断される場合、著作権侵害となり得るという考え方が文化庁から示されています。
既存の他社の制作物に似せるつもりでプロンプトを書いたり、特定の会社やデザイナー名、サイトのサービス名や商品名を指定して生成することは避けた方がよい、ということです。
逆にいえば、既存の制作物を指定せず、自分の言葉でイメージを伝えて生成することは、リスクを下げるうえで有効です。ただし、似せる意図がなくても既存の作品に似た画像が生成されることはあるため、仕上がりの確認までがセットです。
視点2: 生成した画像そのものに、著作権は発生するか
著作権が発生しない場合
AIが自動で生成しただけのものは、著作物にならない可能性があるとされています。
著作権が発生する場合
人がAIを道具として使い、構図や表現の指示・修正などで創作的な寄与をしたと認められる場合には、その人の著作物として保護され、AI利用者が著作者になり得るとされています。
ポイント
指示や修正の回数ではなく、人の創作的な工夫が表現に反映されているかどうかで、生成までの一連の過程をふまえて個別に判断されます。


実務では、「自分の作品」として胸を張って使いたいなら、生成して終わりにせず、意図を持って作り込む工程を残すことが大切だということです。
逆に、簡単な指示を出して作っただけの画像は、著作物として保護されない可能性があります。つまり、他の誰かが同じような画像を作って使っても、権利を主張しにくいということでもあります。案件で「これは自分の作品です」と胸を張りたいなら、手を動かして仕上げる工程を意識的に残しておきましょう。
※詳しく知りたい方は、文化庁「AIと著作権について」のページで、公式の考え方や資料を確認できます(詳細は記事末尾の「参考」をご覧ください)。
案件で使う前に確認する3つのチェックポイント
実務でチェックすべきことを知りたい方のために、案件で生成AI画像を使う前に確認したい3つのポイントをまとめました。この3つは、一度チェックの習慣にしてしまえば、数分で確認できるようになります。



結局のところ何をチェックすればいいのか知りたい!



OK!次の3つを確認すれば、大きな失敗は防げるよ。
| チェック項目 | 具体的に確認すること | 確認できないときの対応 |
|---|---|---|
| 利用規約で商用利用が明記されているか | 生成AIサービスごとに規約が違う。商用利用の可否と、生成物の権利の帰属先を必ず確認する | 規約に記載がない、または曖昧な場合は商用案件での使用を避ける |
| 既存の作品に似せていないか | 特定のブランド・キャラクター・作家名を指定して生成していないか、仕上がりが似ていないかを人の目で確認する | 似ていると感じたら、その生成物は使わずに作り直す |
| クライアントへの説明責任を果たせるか | 案件で使う場合、生成AIを使ったこと・確認した規約の内容を説明できる状態にしておく | 説明できない場合は、事前にクライアントへ相談する |
3つとも、一度確認して終わりではなく、案件を受けるたびに見直す習慣にしておくのがおすすめです。生成AIサービスの規約は改定されることがありますし、案件ごとにクライアントが求める権利関係も異なるためです。
「前の案件で確認したから大丈夫」と思い込まず、都度チェックする姿勢が、結果的に自分の身を守ることにつながります。
プロンプトを書く段階から「既存の制作物に似せない」という意識を持っておくことも、著作権リスクを避ける第一歩です。プロンプトの型については、以下の関連記事で具体的に解説しています。


こんな使い方は避けたい|WebデザイナーがやりがちなNG例



いつでも見返せるようにメモメモ。
読者の方が自分ごととして判断できるよう、避けたい行動を具体的に挙げます。
1、特定のイラストレーター名や制作者名を指定して「〜風に」生成する
既存の作品に依拠したとみなされやすく、意図せず似た表現が出力されるリスクが高い行動です
2、有名キャラクター・ブランドロゴに似せて生成し、そのまま納品する
クライアント自身が気づかないまま使ってしまうと、後から大きなトラブルに発展しかねません
3、生成AIサービスの利用規約を確認せずに、商用案件へ使う
サービスによっては商用利用そのものが制限されていたり、生成物の権利の扱いが特殊な場合があります
4、生成しただけの画像を、確認や手直しなしにそのまま最終納品物にする
「自分の作品」と言い切れない状態のまま納品してしまうことになります
※これらは「絶対にやってはいけない」という断定的な法的助言ではありません。個別の判断に迷う場合は、弁護士や依頼主との契約確認を改めておすすめします。


案件の納品でトラブルにしないために



事前に確認したことを、クライアントにも伝えておくと安心だよ。
実務で実際に納品する場面を想定し、トラブルを避けるための実務のひと手間を紹介します。
生成AIを使う場合は、事前にクライアントへひとこと伝えておくことをおすすめします。規約や権利の扱いを一緒に確認できると、信頼にもつながります。
また、案件ごとに「どのツールを使ったか」「規約のどこを確認したか」を簡単にメモしておくと、後から説明を求められても安心です。


専用のツールを用意する必要はなく、案件管理に使っているメモやスプレッドシートの片隅に一行残しておくだけでも十分です。案件を重ねるほどメモは後回しにしがちなので注意しましょう。
迷った場合は、生成AIの画像をそのまま使うのではなく、素材やアイデア出しの補助として使い、最終的な仕上げは自分の手で行うのが安全な選択です。
まとめ
生成AIの著作権は、「侵害しないか」「著作権が発生するか」という2つの視点で考えると整理しやすくなります。既存の作品に似せない意識を持ち、人が意図を持って作り込む工程を残すことが基本です。
案件で使う前には、次の3つを確認しましょう。
- 利用規約で商用利用が明記されているか
- 既存の作品に似せていないか
- クライアントへの説明責任を果たせるか
大事な考え方は「AIは補助。ビジュアルを作るのは人」です。生成AIを使うこと自体は、後ろめたく思う必要のあることではありません。
線引きを知って正しく使えば、むしろ制作の幅を広げてくれる心強い存在です。まずは、今使っている(または使おうとしている)生成AIサービスの利用規約を確認することから始めてみてください。
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参考
- 文化庁「AIと著作権について」 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/aiandcopyright.html
- 文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について【概要】」(文化庁著作権課) https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94057901_01.pdf



次のブログでもまたお会いしましょう!



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