塾長 尾上こんにちは!ぬるま湯デザイン塾の尾上です。



こんにちは!Webデザイナーのメモりすです。
デザインの勉強を始めて、いざ自分で制作物を作ってみたときに「これで合っているのかな」と手が止まった経験はありませんか?
- 色を変えても、写真を差し替えても、良くなった気がしない…。
- クライアントに「なぜこの色なんですか」と聞かれたら、うまく答えられる自信がない…。
そう感じてしまう原因は、センスが足りないことではなく作り始める前に、誰に何を伝えるのかを整理していないことです。整理していないものは、あとから見た目をいじっても決まりません。
その整理に使える道具のひとつが「3C分析」です。この記事では、
- 3C分析とは何か
- 何のためにやるのか
- どういう手順でやるのか
を、専門用語をかみ砕きながら順番に解説します。さらに実際のLPやホームページを作るときにどう使うのかまで落とし込みます。
3C分析とは?3つのCが指すもの



3C分析って、なんだか経営者向けの難しそうな言葉…。



中身はシンプルだよ。「誰に・どこと比べて・何を出すか」を3つに分けて書くだけなんだ。
3C分析とは、顧客(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)という3つの視点から状況を整理し、自分たちが選ばれる方向を見つけるためのフレームワークです。


頭文字がすべてCなので3Cと呼ばれます。またフレームワークというのは、考えるときの型のことです。ゼロから悩まずに済むように、見るべき場所をあらかじめ決めてくれるもの、と考えてください。
できます。
- 顧客(Customer): 誰が、どんな場面で困っていて、何を基準に選ぶのか
- 競合(Competitor): 同じ相手に対して、どこが、何を、どう見せているのか
- 自社(Company): 自分(またはクライアント)が出せる強み・持っている資源
この3つは、Webサイトのデザインを決めるときに必要な情報とほぼイコールになります。
- 誰に向けるかが決まれば配色や写真のトーンが決まる
- 競合が分かれば同じ見た目を避ける理由ができる
- 自社の強みが分かれば訴求する言葉が決まる
大事なのは、3つに分けて書き出すという手順のほうです。
「マーケティングの話でしょ?」とデザイナーが思ってしまう理由
3C分析はマーケティングの文脈で紹介されることが多いため、「作る人には関係ない」と感じてしまいがちです。
しかしデザインは見た目を整える作業ではなく、目的を達成するための手段です。手段は、目的が決まっていなければ選べません。
「申し込みを増やしたい」のか「まず名前を覚えてほしい」のかで大きく変わるもの
- 載せる情報
- 写真の雰囲気
- ボタンの位置
3C分析は、その目的と相手をはっきりさせるための前工程にあたります。作る人が使ってこそ効く道具といったイメージです。
3C分析の目的は「なんとなく作る」をなくすこと
3C分析をやる目的は、突き詰めると「なんとなく作る」状態から抜け出すことです。具体的には次の3つです。
目的1:誰に向けたデザインかを決める
ターゲットが決まると、判断の基準が生まれます。落ち着いた40代の女性に向けるのか、時間のない20代の会社員に向けるのかで、選ぶ色も、写真に写る人も、文章の長さも変わります。逆にターゲットが曖昧なままだと、「なんとなく好きな色」で決めるしかなくなります。
目的2:競合と同じ見た目にしない理由がつくれる
参考サイトを集めると、つい似た雰囲気になります。競合を先に見ておけば、「ここは全部同じ言い方をしているから、うちは別の言い方をする」という判断ができます。これがいわゆる差別化、つまり他と違う位置に立つということです。
目的3:提案のときに「なぜこのデザインか」を説明できる
これが実務ではいちばん効きます。「かわいいと思ったので」ではなく「顧客が一番不安に感じるのが料金なので、最初にここへ出しました」と言えるかどうか。説明できる人は修正の往復が減りやすく、次の依頼にもつながりやすくなります。
デザインの良し悪しは、センスがある人がひらめいて決まるものではありません。整理した人が、根拠を持って選べるかどうかです。3C分析は、その根拠をつくるための作業だと考えてください。
3C分析のやり方|4つのステップ



順番が決まってるなら、僕にもできそうかも!
ここからは実際の手順です。難しく考えず、紙かテキストファイルを1枚用意して書き出していきます。


ステップ1:顧客(Customer)を書き出す
最初に「誰が買うのか」を書きます。年齢・性別だけで止めないのがコツです。次の観点まで書けると、デザインに落とせる情報になります。
- どんな場面で困っているか(いつ、どこで、何に困る?)
- 何を不安に思っているか(値段?続けられるか?失敗しないか?)
- 何を基準に選ぶか(価格・近さ・実績・雰囲気のどれを一番見る?)
- どこで情報を探すか(検索・Instagram・知人の紹介)
クライアントワークなら、これはそのままヒアリングの質問リストになります。「いちばん多いお客様はどんな方ですか」「よく聞かれる質問は何ですか」と聞くだけで、かなり埋まります。
ステップ2:競合(Competitor)のサイトを3つ見る
次に、同じお客様を取り合っている相手のサイトを5つほど開きます。見るのは見た目の好き嫌いではなく、次の4点です。
- 誰に向けているか(トップの言葉から分かる)
- いちばん強く押している言葉は何か
- 写真のトーン(人物中心か、商品中心か、明るいか落ち着いているか)
- 申し込みまでに何ステップかかるか
ここで大事なのは、デザインを真似するために見るのではないということです。目的は「どこが空いているか」を知ること。3社とも「安さ」を押しているなら、安さで戦うのは不利だと分かります。
ステップ3:自社(Company)の強みを、競合と並べて書く
ステップ2で書いた競合の主張を横に並べて、競合が言っていないことのうち、自分たちが言えることを探してください。
- 設備
- 営業時間
- 対応できる範囲
- 対応スピード
など、なんでも構いません。
ステップ4:3つを見比べて「勝てる一点」を決める
最後に3つを見比べて、次の3つが重なる部分を1つだけ選びます。


- 顧客が求めていて
- 競合が言っていなくて
- 自社が言えること
この一点が、LPのファーストビュー(最初に表示される画面)に置く言葉になります。複数選びたくなりますが、増やすほど伝わらなくなるので、まずは1つに絞ってください。
Webデザインで3C分析をどう使うか



分析で終わらせないのがコツ。決めた一点は、必ず画面のどこかに姿を変えて出てくるよ。


- ファーストビューのキャッチコピーと写真
一点をそのまま言葉にする。写真も、その言葉が本当だと思える場面を選ぶ - 配色・フォントのトーン
顧客像に合わせる。自分の好みではなく、その人が安心する見え方を選ぶ - 情報の並び順
顧客が選ぶときに気にする順に並べる。料金を先に知りたい相手なら、料金を下に隠さない - 作るものの選択
一点を伝えるのに必要なのがLPなのか、会社全体を紹介するホームページなのかが変わる
最後の「作るものの選択」は見落とされがちです。目的が1つの申し込みに絞られているならLP、事業全体を継続的に見せたいならホームページ、というように、3Cで決めた目的が手段を決めます。
具体的にどうなるか、例に通してみます。
- 顧客: 在宅で仕事をする30〜40代。家だと集中できず、長時間いても気まずくない店を探している
- 競合: 駅前のチェーン店。席数は多いが回転重視で、長居しづらい雰囲気
- 自社: 駅から少し離れているが、席が広く、電源とWi-Fiがあり、混雑しない
この3つを見比べると、勝てる一点は「長時間しっかり作業できる」になります。
- ファーストビューのキャッチコピー→「駅から5分。3時間いても、気を使わない」
- 写真→満席の賑わいではなく、席で作業している落ち着いた1枚
- 掲載順→メニューより先に「電源・Wi-Fi・席の広さ」を出す
ここまで来ると、色や写真を「なんとなく」で選ぶ場面がほとんどなくなります。これが、3C分析を制作の前工程に入れる価値です。
初心者がつまずく3つのポイントと避け方



やってみたいけど、途中で分からなくなって止まりそう…。



止まるポイントはだいたい決まってるよ。先に知っておけば避けられる!
つまずき1:情報を集めすぎて終わらない
完璧に埋めようとすると終わりません。A4用紙1枚、30分と決めて、まず最後まで書き切ってください。埋まらなかった欄は失敗ではなく、クライアントに聞くべき質問なのでそのまま持っていけば、質の高いヒアリングになります。
つまずき2:自社の強みを、競合と比べずに書く
比べずに書くと、「丁寧」「安心」といった言葉に落ち着いてしまいます。全員が言えることは強みになりません。ステップ2の競合の主張を横に置いて、違いが出る部分だけを残してください。
つまずき3:分析して満足し、デザインに反映されない
分析シートが完成しても、それ自体は成果物ではありません。最後に必ず「では、ファーストビューに置く言葉は何か」を一文で書いてください。そこまで書いて、はじめて分析がデザインにつながります。
まとめ
3C分析は、難しい経営理論ではありません。顧客・競合・自社の3つに分けて、紙1枚に「誰に・何を・どう伝えるか」を書き出す道具です。
やることは4ステップだけです。顧客を書き出し、競合を3つ見て、自社の強みを競合と並べて書き、3つが重なる「勝てる一点」を決める。その一点が、ファーストビューの言葉になり、写真になり、情報の順番になります。
提案の説得力は、センスの有無ではなく、作る前に整理したかどうかで変わります。そして整理は、練習すれば誰でも手順として身につけられるものです。
次に何かを作るとき、いきなりデザインツールを開く前に、まず3つの箱を書いてみてください。それだけで、自分の選択に理由がつきはじめます。
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参考にした情報源
ITmedia 情報システム用語事典「3Cモデル(すりーしーもでる)」
https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0705/30/news141.html
(2026-08-21確認。大前研一氏/英語版『The Mind of the Strategist: The Art of Japanese Business』1982年/Corporation・Customer・Competitor/「戦略的三角関係(strategic triangle)」の記載を本文で確認)



次のブログでもまたお会いしましょう!



バイバイ!またね!









