深津式プロンプトとは?デザインの相談・壁打ちに使う書き方

深津式プロンプトとは?デザインの相談・壁打ちに使う書き方
塾長 尾上

こんにちは!ぬるま湯デザイン塾の尾上です。

メモりす

こんにちは!Webデザイナーのメモりすです。

AIに相談してみたのに、返ってきたのは教科書みたいな当たり障りのない答えだった…
結局、自分で考え直すことになった…

そんな経験はありませんか?

少し調べてみると「深津式プロンプト」という言葉が出てきます。名前がついている時点で、また難しい話が始まりそうで身構えてしまうかもしれません。

でも実際には中身は単純です。深津式プロンプトは、AIへの指示を4つの項目に分けて書くだけの型で、覚えるのに5分もかかりません。うまく使えないのは頭の良し悪しではなく、指示の並べ方を知らないだけ、ということが実際に多いのです。

この記事で分かることは次の3つです。

  • 深津式プロンプトの4つの項目に、それぞれ何を書くのか
  • デザインの相談・壁打ちにそのまま流し込めるテンプレート
  • AIに渡していい仕事と、渡してはいけない仕事の線引き

※この記事では、AIにデザインそのものを作らせる話はしません。扱うのは、手を動かす前の「考える・調べる・伝える」の工程です。ぬるま湯デザイン塾では、ビジュアルを決めるのは人の仕事です。

目次

深津式プロンプトとは?4つの項目に分けて書くプロンプトの型

メモりす

「深津」って人の名前なんだね。

深津式プロンプトとは、AIへの指示を、

  1. 命令書
  2. 制約条件
  3. 入力文
  4. 出力文

の4つに分けて書く、プロンプトの型です。名前の由来は、note株式会社のCXOで、THE GUILDに所属するデザイナーの深津貴之さん。

ご本人の著書『ChatGPTを使い尽くす! 深津式プロンプト読本』(深津貴之・岩元直久 著/日経BP/2024年8月13日発行)の「はじめに」には、「プロンプトの書き方のテンプレートとして深津式プロンプトを学ぶことで、ChatGPTとの対話の仕方の基礎力が身につくでしょう」と紹介されています。

4つの項目の役割

  1. 命令書 … 誰として、何をしてほしいか
  2. 制約条件 … 守ってほしいこと・避けてほしいこと・数の指定
  3. 入力文 … 材料になる情報(打ち合わせメモなど)
  4. 出力文 … どんな形で返してほしいか

なぜ項目に分けると答えが変わるのか

指示と材料が1つの文章に混ざっていると、AIはどこまでが命令で、どこからが前提なのかを区別できず、無難な一般論に寄っていきます。

項目に分ければその区別がそのまま形になり、思ったものと違ったときにどの項目を書き換えればいいかが見えるようになります。型の価値は、最初の1回よりも2回目以降の直しやすさにあります。

AIへの指示全般の書き方(役割・目的・依頼内容・条件・出力形式の考え方)は以下の記事で解説しているので、基礎から知りたい方はそちらを先にどうぞ。

ここからは、この4つを実際のデザインの仕事に流し込んでいきます。

4つの項目に何を書くか|そのまま埋められるテンプレート

メモりす

4つの項目、それぞれ何を書けばいいのか知りたい!

まず、空のテンプレートを置いておきます。〈 〉の部分を自分の案件に沿った言葉に置き換えるだけです。

# 命令書
あなたは〈役割〉です。以下の入力文をもとに、〈やってほしいこと〉をしてください。

# 制約条件
- 〈守ってほしいこと〉
- 〈避けてほしいこと〉
- 〈個数・文字数などの指定〉

# 入力文
〈材料になる情報をそのまま貼る〉

# 出力文
〈返してほしい形式〉
MEMO

見出しの記号(#)は無くても動きますが、付けておくと自分で読み返したときに項目の切れ目が分かりやすくなります。

各項目の書き方の目安

それぞれの項目に何を書き、書かないとどうなるかを整理しました。

項目ここに書くこと書かないとどうなるか
命令書役割と、動詞1つのお願い「良い感じにして」で終わり、一般論が返ってくる
制約条件避けたい表現・個数・前提使えない案が混ざり、選ぶ手間が増える
入力文打ち合わせメモ・原稿など材料AIが想像で埋めるので、事実と違う内容が混ざる
出力文箇条書き/表/文章などの形式長文で返ってきて、そのままでは使えない

命令書は欲張らない
「整理して、案も出して、文章にもして」と3つ入れると、どれも中途半端になってします。動詞は1つに絞ってください。

一番差が出るのは「制約条件」

4つのうち、出てくる答えの質を一番左右するのは制約条件です。ここには、その案件をどれだけ理解しているかがそのまま出ます。文章のうまさは関係ありません。

  • ターゲットは誰か
  • 何は避けたいのか
  • 今回は何を優先するのか

これらを書けないのは、案件の前提がまだ整理できていないサインです。AIの使い方の問題ではありません。

もちろん最初から全て完璧ではなくてOKです。むしろ自分の理解の穴が可視化されるので、書けなかった内容をそのままクライアントへの確認事項にすればOKです。

制約条件ではターゲット・避けたいこと・優先することを整理し、書けない項目はクライアントへの確認事項にする

デザインの相談・壁打ちに使う|深津式のテンプレート3本

メモりす

これなら、ぼくの案件でもそのまま試せそう!

ここからは実際に使える形にしていきます。3本とも、私が塾生さんから相談を受けることの多い場面なので、〈 〉を置き換えて、そのまま使ってください。

1. 曖昧な修正指示を、確認すべき質問に翻訳する

「なんかもうちょっと明るい感じで」「もう少し高級感を出してほしい」。クライアントからのこうした修正依頼に、そのまま手を動かして直し、また戻される。クライアントワークで一番消耗するのがこの往復です

# 命令書
あなたは経験豊富なWebディレクターです。以下の入力文(クライアントからの修正依頼の文面)を読み、私が返信で確認すべきことを整理してください。

# 制約条件
- 修正案やデザインの提案は一切しないこと
- 「明るく」「高級感」のように解釈が分かれる言葉は、そのまま採用せず解釈の候補を2つずつ挙げること
- 質問は、はい/いいえで終わらない形にすること
- 質問は5つまで

# 入力文
〈クライアントからの修正依頼の文面をそのまま貼る〉

# 出力文
1. 迷わずそのまま直せる指示
2. 解釈が分かれる言葉と、その解釈の候補
3. 返信で確認する質問(5つまで)

重要なポイントとしては「修正案は一切出さないこと」を制約条件に入れている点です。これがないと、AIが勝手に直し方まで決めてしまい、相手の意図を確かめないまま手が動きます。

このテンプレートの仕事は、曖昧な言葉を「解釈の候補」に開くところまで。どの解釈を採るかを決めるのは人間側です。

曖昧な修正依頼をAIが解釈の候補と確認する質問に整理し、採用する解釈は人が決める

2. 参考サイトの「なぜ良いか」を言語化する

参考サイトを見て「良い」と感じるのに、クライアントに理由を説明できない。これは言語化が苦手な方がぶつかりやすい壁です

# 命令書
あなたはWebデザインの講師です。
以下の入力文は、私があるサイトを見て気づいたことのメモです。これを、人に説明できる言葉に整理してください。

# 制約条件
- 「おしゃれ」「かっこいい」「今っぽい」など感覚的な言葉は使わないこと
- 「誰に、何を、どう伝えるためか」という目的の観点から書くこと
- 私が書いていない要素については触れないこと

# 入力文
〈自分が見て気づいたことを箇条書きで貼る〉

# 出力文
観点ごとの箇条書き(レイアウト/配色/文字/写真の使い方)

感覚の言葉を禁止する制約が、そのまま説明力の訓練になります。ここで大事なのは、参考サイトのURLをAIに渡して評価させるのではなく、自分が観察したメモを渡していることです。

見るのは自分、言葉にするのを手伝ってもらう、という順番を崩さないでください。

3. 自分が考えた構成案の抜けを指摘させる

サイト構成を自分で組んでみたものの、抜けがないか不安。そんなときは、案を出させるのではなく、叩かせます。

# 命令書
あなたは厳しめのレビュワーです。
以下の入力文(私が作ったサイト構成案)を読み、足りない点だけを指摘してください。

# 制約条件
- 褒めないこと
- 代案は出さず、不足の指摘だけにすること
- 〈業種〉の〈ターゲット〉が意思決定するために必要な情報という観点で見ること

# 入力文
〈自分の構成案(ページ一覧と各ページの内容)を貼る〉

# 出力文
不足点を優先度の高い順に5つ、1行ずつ

「代案は出さない」と縛るのが要です。代案まで出させると、いつの間にか構成をAIが決めた形になり、なぜその構成なのかを自分の言葉で説明できなくなります

決めるのは自分、指摘してもらうのがAI。この順番だけは守ってください。

3本とも、レイアウト・配色・ビジュアルといったデザインそのものには一切触れていません。AIに渡しているのは、手を動かす前の「考える・調べる・伝える」の下準備だけです。

この線引きは、次の章でもう少し詳しくお話しします。

答えがいまいちだったときの直し方|項目を1つずつ書き換える

メモりす

やってみたけど、思ってた答えと微妙に違った…。

1回で欲しい答えが返ってこないことも、正直あります。ここで「私にはできない」と思わなくても大丈夫です。直す場所には順番があります。

回答がずれたときは出力文、制約条件、入力文、命令書の順に、1回1項目ずつ修正する
指示の直すべき順番

1、出力文を直す
内容は悪くないのに形が違うだけなら、ここだけで直ることが多いです(「表で」「1項目30字以内で」など)

2、制約条件を足す
使えない案が混ざるなら、避けたいものを1行足します(「専門用語を使わない」「BtoC向けの例は除く」など)

3、入力文を足す
事実と違う内容が混ざるなら、指示ではなく材料が足りていません

4、命令書の役割を変える
それでもズレるときに、ようやく役割を変えます

やってはいけない直し方

全部まとめて書き換える
運良く良い答えが出ても、何が効いたのか分からないので次に再現できません。1回に直すのは1つの項目だけにしてください。

「もっと良い感じにして」と追記する
これは制約条件になっていないので、AIの側でも判断のしようがなく、ほとんど変わりません。

「良い感じ」を自分の言葉に分解したものが、制約条件です。

うまくいかないのは、あなたの読解力の問題ではありません。どの項目の情報が足りないかを見るだけです。それは慣れれば数十秒で終わります。

AIに渡していい仕事・渡してはいけない仕事

メモりす

便利すぎて、全部お願いしたくなっちゃいそう…。

塾長 尾上

依頼する仕事は切り分けが必要。判断まで渡すと、良し悪しを見る目が育たなくなるんだ。

型を覚えると、つい何でも投げたくなります。ここで役に立つのが、また4つの項目です。線引きを気分で決めず、項目ごとにルールを持っておく。そうすれば、案件が変わっても同じ判断ができます。

渡していいのは「項目に素直に落とし込める作業」まで

判断に迷ったら、命令書に書きたい動詞を口に出してみてください。次の動詞で書ける作業なら、渡して大丈夫です。

  • 整理して
  • 列挙して
  • 指摘して
  • 言い換えて

決めるのは自分のまま、手だけを借りている状態だからです。逆に、書きたい動詞がこうなったら、そこが線です。

  • 決めて
  • 選んで

動詞ひとつで、判断を渡したかどうかが分かります

AIには整理・列挙・指摘・言い換えを頼み、決める・選ぶ判断は自分で担う

命令書:判断の動詞を書かない

とくに気をつけたいのが、レイアウト・配色・トーンの良し悪しです。「AとB、どちらが良いか選んで」と命令書に書いた瞬間、自分は選んだ理由を失います。クライアントに「なぜこの色なんですか」と聞かれて答えられないのは、この一行が原因です。

デザインは見た目ではなく目的達成の手段です。目的を知らない相手に、目的に照らした判断は任せられません。

AIが広まってもデザイナーに残る力については、以下の記事で詳しくお話ししています。

入力文:貼る前にチェックすべきこと

4つの項目のうち、事故が起きるのは入力文だけです。命令書・制約条件・出力文は自分の言葉ですが、入力文だけは他人の情報をそのままコピペする項目だからです。

だから、入力文を貼る前の手順をルールにしてしまいます。

置き換えるもの
社名・人名・店舗名は「A社」「担当者」にする

貼らないもの
未公開の企画、個人情報、他社の見積の詳細

渡していいもの
業種と規模だけ渡せば、たいていの相談は成立します

自分のテンプレートの入力文欄に「※固有名詞を伏せたか」と一行残しておくと、忙しいときでも止まれます。

入力した内容がどう扱われるかはサービスや契約プランによって違い、変更されることもあります。利用中のサービスの公式ヘルプや利用規約で、必ず自分で確認してください。

出力文:形式は保証されても、中身は保証されない

出力文で形を指定すると、返ってきた答えは驚くほど整って見えます。表になっているだけで、なんとなく正しく見えてしまう。ここが一番の落とし穴です。出力文が保証するのは形式であって、中身ではありません

  • 数字
  • 料金
  • 仕様
  • 法律まわり

は、テンプレートから離れて、一次情報で裏を取ってください。制約条件に「事実だけ書いて」と足しても解決しません。AIは自分が間違っていることに気づけないからです。

項目ごとの3つのルール

命令書で判断を渡さない、入力文で情報を出しすぎない、出力文を鵜呑みにしない。この3つを決めておけば、使うほど自分の判断基準のほうが言語化されていきます。

まとめ

深津式プロンプトは、AIへの指示を次の4つの項目に分けて書く型です。

1. 命令書 … 誰として、何をしてほしいか
2. 制約条件 … 守ってほしいこと・避けてほしいこと・数の指定
3. 入力文 … 材料になる情報
4. 出力文 … どんな形で返してほしいか

一番差が出るのは制約条件で、そこに書ける言葉の量は、その案件をどれだけ理解しているかに比例します。逆に言えば、書けなかった内容こそ、次にクライアントへ確認すべきことです。プロンプトの練習は、そのまま案件理解の練習になります。

そして、AIは補助です。ビジュアルを決めるのも、事実を確かめるのも人。この順番を守っている限り、AIを使うほど自分の判断基準は言語化されていきます。

まずは1本だけ試してみてください。おすすめは「参考サイトの『なぜ良いか』を言語化する」です。良いと思ったサイトを見て気づいたことを箇条書きにし、感覚の言葉を禁じたうえで整理させる。それだけで、次の打ち合わせで使える説明の言葉が手に入ります。

難しい理論を覚える必要はありません。4つの項目を埋めるだけ。この程度の道具から始められるなら、Webデザインの仕事も自分にできそうだと、少し思えてくるはずです。

Webデザインの学び方に関する情報を受け取りたい方は、ぬるま湯デザイン塾のLINEにご登録ください。5日間チャレンジ(無料体験)も実施中です。

5日間チャレンジ

5日間チャレンジの内容や案内時期などの詳細については、LINEでご案内します。

\ LINEのお友達登録はこちらから /

Webデザイン5日間チャレンジ

参考にした情報源

塾長 尾上

次のブログでもまたお会いしましょう!

メモりす

バイバイ!またね!

この記事を書いた人

1986年生まれ。茨城出身。7歳の時に父親の会社が倒産し、借金地獄のホームレスとなる。
その後、祖父母に引き取られ12歳の時にWindowsパソコンをイチから組み立て、WEBサイト制作を独学で始める。
16歳から印刷業界を経験し、その後WEB業界に転身。WEBマーケティングを実践で学び、反応率にフォーカスした売上重視のデザインを得意とする。
2020年にデザイン塾を創業し、世界23ヵ国、延べ64,000人にデザインセミナーや講座を開催。
2022年には熊本県熊本市と立地協定を締結し、地方創成プロジェクト開始。
2023年からは法務省の委託事業として、全国少年院の職業訓練として民間初となるWEB制作講座を開始し、子供たちの社会復帰支援にも尽力している。

目次