塾長 尾上こんにちは!ぬるま湯デザイン塾の尾上です。



こんにちは!Webデザイナーのメモりすです。
断ったら次の依頼が来なくなりそうで、つい全部「できます」と答えてしまう…
修正が終わらないのも、値下げを受け入れてしまうのも、腕が足りない自分のせいだと思っている…
クライアントワークという言葉を、講座やSNSで見かけて調べている方は多いと思います。「つらい」という言葉と一緒に出てくることも多いので、始める前から不安になりますよね。
クライアントワークがつらくなる原因は、技術不足だけではありません。ぬるま湯デザイン塾では、消耗している人ほど「案件を選ぶ」という発想を持っていないと考えています。
この記事で分かることは次の4つです。
- クライアントワークという言葉の意味と仕事の流れ
- 自社サービス・インハウスとの違い
- 「つらい」と言われる理由
- 受けてはいけない案件の見極め方
クライアントワークとは?依頼を受けて成果物を届ける仕事のこと



「受託」って呼ばれてるのと、何が違うのかな?



ほとんど同じ意味だよ。呼び方が違うだけだね!
クライアントワークとは
クライアント(依頼主)から発注を受け、相手の目的や要望に沿った成果物をつくって納品する仕事のことです。「受託」「受託制作」と呼ばれることもあります。
クライアントワークに含まれる仕事
外部から依頼を受けてつくる以下のようなものは、どれもクライアントワークに入ります。
- Web制作
- LP制作
- Web画像制作
- 広告運用
- システム開発
フリーランスや副業の人だけの言葉だと思われがちですが、制作会社に勤める会社員も立派なクライアントワークです。
仕事の流れは「営業から請求まで」
一本の案件は、おおよそこの順番で進みます。
- 営業・問い合わせ対応で相手と出会う
- ヒアリングで目的・予算・納期を聞く
- 提案と見積もりを出し、契約する
- 制作してレビューと修正を重ねる
- 納品・検収を受ける
- 請求して入金を確認する
デザインソフトを触っている時間は、このうちの4番だけ。手を動かす前の工程がこれだけ長いところが、自社サービスとの一番の体感差になります。


Webデザインではどんな案件があるか
Webデザインの副業・独立で受けやすいのは、
- LP(ランディングページ)
- ホームページ
- Web画像(Webサイト内で使う画像)
- サイトのメインビジュアル
- SNS投稿画像
あたりです。ロゴや名刺といった依頼が混ざってくることもあります。はじめのうちは、短い時間でつくれるWeb画像から数をこなす人が多いですね。
自社サービス・インハウスとの違い
誰のためにつくるか、お金がどこから来るか
クライアントワークは、依頼主のビジネスのためにつくります。報酬は納品に対して支払われるので、売れるかどうかに関係なく入ってきます。
自社サービス・自社開発は、自分たちのサービスのためにつくる仕事です。収益はそのサービスが売れて初めて生まれます。インハウスデザイナーは、会社の中で自社の制作を担当する立場ですね。
3つの働き方を比べる
| 比べるポイント | クライアントワーク | 自社サービス・インハウス |
|---|---|---|
| つくる相手 | 依頼主の事業 | 自社の事業 |
| 報酬の発生 | 納品・検収で確定しやすい | 売れて初めて生まれる |
| 決定権 | 依頼主にある | 社内にある |
| 経験の幅 | 短期間で多くの業種を見られる | ひとつの事業を長く深く見る |
| つまずきやすい点 | 修正・条件変更・相手の事情に振り回される | 成果が出るまで時間がかかる |
未経験から始めるならどちらが現実的か
実績ゼロの段階では、クライアントワークのほうが経験を積みやすいです。依頼が来るたびに新しい業種を見られますし、納品した数がそのまま実績になります。
ただし「経験を積める」と「何でも受けていい」は別の話です。初期の頃は実績を積みたいという気持ちが強いのですが、ここを混ぜてしまうと、次に出てくる「つらい」に突き当たります。
クライアントワークが「つらい」と言われる4つの理由



断るのが怖くて、つい全部「できます」って言っちゃうよね…
1、修正が終わらない、あとから条件が変わる
蓋を開けてみたら修正指示が延々と続く。「ここまではこの金額内でやってよ」と後出しされる。ぬるま湯デザイン塾の講師でも、経験したことがある者はいます。
2、安く受けたぶんだけ消耗する
単価を下げて受けると、作業量は変わらないのに手元に残るお金だけが減ります。疲れた割に稼げていない、という状態ですね。
3、つくったのに実績として公開できない
納品後に「実績掲載はご遠慮ください」と言われることがあります。時間をかけたのにポートフォリオが増えないので、次の営業にもつながりません。
4、知らないうちに怪しい商材を手伝ってしまう
何も調べずに案件を引き受けてしまい、意図せず犯罪に加担してしまうこと可能性としてあり得ます。本当に引き受けてもいいかどうかは、ご自身で調べて判断する必要があります。
ここに挙げた4つは、どれも「相手が悪い」とは限りません。調べないまま受けたことで、防げたはずのリスクが発生しています。
なぜ「何でも受けてしまう」のか
ゼロイチを達成する前は、案件が喉から手が出るほど欲しい時期です。断ったら次は頼まれないかもしれない、という不安もありますよね。「断られると次にお願いしづらいので、受けてくれる人は本当に助かる」と、発注する側の気持ちは否定できません。
問題は、受けたい案件かどうかを自分で判断しないまま「やります」と答えてしまうこと。ここから修正地獄や低単価が始まります。
つらさの最大の原因は「案件の選び方」にある



デザインは魔法じゃないよ。売れるものを、もっと売れるようにする仕事だね。
選べるようになると、選ばれるデザイナーになる
何でも受ける人には、何でも頼まれます。逆に受ける案件を選べるようになると、得意分野で継続してもらえるようになります。
ぬるま湯デザイン塾の講師の中には現在、特定の業界に特化したデザインチームを運営している講師もいます。紹介だけで案件をとっていて、値下げを求められたら「できません」と言えると話しています。
自分が対応したい理想の人を紹介してくれるのは、たいてい今大事にしている人。逆に無理のある案件を続けていると、その実績を見た人から同じような依頼が来ます。数を追うより質を上げたほうが、結果的に早く回り始めます。
3C分析でクライアントの現実を見る
講師が受注前に必ずやると話していたのが3C分析です。見るのは次の3点。
- 自社(クライアント)に本当に強みや魅力があるか
- 競合と比べて差別化できているか、市場で勝てるか
- 市場に需要があるか、伸びていく分野か
自己満足や趣味の延長になっていないかを、ここで見ます。競合が当たり前にやっていることを、目の前のクライアントだけができていない。消費者はインターネットで比較するので、そこが最低限のラインだとセミナーでは語られていました。
調べた結果「強みが見つからなかった」なら、そのまま正直に伝えます。言わずに進めても誰も幸せにならないので、伝えるところまでがプロの仕事です。
3C分析そのものの進め方は、以下の関連記事で説明しています。


最低限リサーチする4つのポイント


- 実績…お客様の声・導入事例・売上につながった事例があるか。見せられるものが何もないなら、そもそも売れていない可能性があります
- 資金力…ホームページ・広告・店舗・SNSが整っているか。お金がないということは、商品が売れていないということでもあります
- お金の使い道…写真やLPなど、売上につながる部分に投資しているか
- 商材の健全性…法律・倫理の面で問題がないか。会社名で検索して、過去の行政処分の履歴が出てこないか
4つ目の会社名検索は、講師が何度も勧めていた手順です。調べて自分でフィルターをかけないと自分の身を守れない、という言い方をしていました。
ビジネスモデルが壊れた案件は、デザインで逆転できない
避けたい悪循環は以下の通りです。
- 売れない
- 利益が出ない
- 制作料金を削る
- だから最低価格で引き受けてくれる人を探す
- 結果として微妙な成果物ができあがり、さらに売れなくなる


ポイント
道に落ちている石ころは売れません。
デザインは魔法のように、需要をゼロから生み出すものではありません。また、自分が本当に魅力的と思えないものに対しては、いいアイデアは出せないものです。
魅力に思えて、かつ売れるものをより売れるようにしていく。需要のあるものを加速させる手段であって、ここを取り違えると、成果の出ない案件を全部自分の責任として抱え込むことになります。
受けてはいけない案件の見極め方|ぬるま湯デザイン塾での実例



受けちゃいけない案件って、話した感じで分かるものなの?



話しただけじゃ分からないよ。だから受ける前に調べるんだ!
ここからは、ぬるま湯デザイン塾での3つの案件です。
実例1、ご祈祷済みの水のLP
お土産の事業を展開している会社からの依頼で、水の強みは「会社の会長がご祈祷している」ことでした。商品は500mlで1本225円、24本セットでしか買えません。
怪しいと思って私、尾上に相談してきました。「それ、自分で買う?」と聞いて初めて「要らない」と気づきました。すでに入金を受けていたのでLPはつくって納品したものの、
- 自分が欲しいと思えるか
- ニーズが本当にあるか
を先に確かめる必要があった、と振り返っていました。
実例2、資金が尽きた個人サロンの講座立ち上げ
過去にバズった経験はあるものの、資金が尽き、外注費がかさんでいた個人サロンからの相談です。翌月の給料を払えるかどうかという状態で、依頼料を支払う余力もありませんでした。
人としては大好きでも、ビジネスの手伝いまではできない。まず立て直すのはオーナー自身の仕事だと判断して、案件は現在停止しているそうです。相手に入り込みすぎない、という線引きが重要です。
実例3、「補助金申請用に入金履歴を作れますか」と聞かれた
クライアントから直接こう聞かれて、その場では判断がつかなかったそうです。私に相談があったので、冷静に判断させて、結果的に断ったという事例でした。
ポイント
自分で判断できない依頼は、その場で返事をしない。相談できる相手に確認してから答える。
判断基準は2つだけ
- この商品・サービスを、自分が使いたいと思うか
- 家族や友人に、自信を持って紹介できるか
即答で「はい」と言えない案件は、その場で受けずに3C分析を挟む。それでも判断がつかないものは、一人で決めない。
受注前チェックリスト
- 自分がその商品・サービスを欲しいと思うか
- 家族や友人に紹介できるか
- ニーズを確認できたか
- ビジネスモデルは大丈夫か、利益は出ているか
- 自分の工数は適切か
- クライアントとの相性に違和感はないか
- 少しでも迷ったら、一人で決めずに相談する
それでも受けてしまったときは、2つに1つ


入金が済んでいたり、契約後に気づいたりすることもあります。
A、商品設計から提案する…「今のままでは難しいです」と伝え、商品をつくるところから関わる
B、依頼された範囲だけつくる…自分の考えは伝えたうえで、受けた分を納品する
例えば、上流から改善提案をする場合が10万円、依頼だけを受ける場合が2万円など、金額の大きさそのものより、引き受ける責任の範囲を決めます。
選ぶ軸は「どこまで責任を持てるか」と「その報酬に見合うか」。
まとめ
クライアントワークは、依頼主のビジネスのために成果物をつくって納品する仕事です。自社サービスと違って報酬は納品で確定しますが、そのぶん決定権は相手にあります。
つらいと言われるのは事実で、修正過多・低単価・実績非公開はよく起きます。ただ、その多くは受ける前の段階で防げるものです。
まとめ
1. 受ける前に3C分析と4つのリサーチを済ませる。
2.「自分が使いたいか」「家族や友人に紹介できるか」に即答できなければ、その場で返事をしない。
3.判断に迷ったら、一人で抱えずに相談する。
案件を選べるようになると、選ばれるデザイナーになっていきます。今日届いた1件を受けるかどうかから、この基準を使ってみてください。
Webデザインの学び方に関する情報を受け取りたい方は、ぬるま湯デザイン塾のLINEにご登録ください。5日間チャレンジ(無料体験)も実施中です。


5日間チャレンジの内容や案内時期などの詳細については、LINEでご案内します。
\ LINEのお友達登録はこちらから /



次のブログでもまたお会いしましょう!



バイバイ!またね!





